大阪都構想を批判する—『「仮面の騎士」橋下徹』(2)


『「仮面の騎士」橋下徹 独裁支配の野望と罠

大阪の地方自治を考える会 編 講談社 2011年10月17日発行

編者様並びに講談社様に承諾をいただき、大阪都構想と橋下的ポピュリズムを徹底的に批判した部分(第2章)を転載させていただきます。

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第2章 変遷から白紙撤回へ 「大阪都構想」の真の狙い

2.「大阪解体ショー」は、大阪府民のための改革ではない!—目的は橋下独裁体制の地盤強化

<「大阪都構想」の本質と問題点>

「大阪都構想」の本質と問題点を、端的にまとめてみると、次の七点に集約されます。

  • ①「都制」は、大阪市・堺市の両政令指定都市(及び周辺隣接九市)の権限と財源を「都」に集中する独裁的な体制であり、地方自治制度としては、問題が非常に多く、時代錯誤である。
  • ②都区として再編される区域においては、自由で自立した、大都市としての重要機能が破壊されるのはもちろん、市民生活において重要な、教育や文化、生活のセーフティネットの機能は、大幅に低下する。
  • ③「大阪経済の再生」と「二重行政の無駄」は、後で詳述しますが、制度改正をしなければならない理由にならない。
  • ④「都」および「都知事一人」に集中した権限と財源は、時代遅れの大規模開発投資に回されることになる。
  • ⑤「大阪都構想」の活動は、真に地方制度改革を求めるというよりは、大阪市のみならず、府内市町村全体及び大阪府行政において、議会や市町村を、たった一人の知事の意のままに従わせる独裁体制をつくろうとする政治権力闘争である。
  • ⑥現行の地方自治制度上で最も大きい権限を持つ、政令指定都市である「大阪市」の存在が、一番の障害になるので、「大阪市解体」をスーローガンとして、集中的かつ煽動的な政治活動を展開している。
  • ⑦「大阪都構想」騒ぎにより、大阪の政治は、大きく長期にわたって混乱し、経済の停滞、市民生活の困窮度は増すばかりである。

このように、「大阪都構想」を推進する橋下知事の政治手法は、ウソで大衆を欺く、典型的なポピュリズムです。本書の狙いは、その隠された意図を摘出していくことでもあるのです。

<「大阪都構想」は、地方分権改革を目的とはしていない>

橋下知事は、真剣に地方分権改革を進めようとしているのではありません。知事に就任以来、わずか三年の間に、次々と異なる地方制度の改革案を表明してきました。主なものを列挙してみましょう。

①関西州

②府市再編(大阪府・大阪市)

③グレーター大阪

④大阪市(堺市)の普通市分割

⑤大阪都(東京都に準じ、大阪市・堺市を分割するとともに、周辺九市と合わせ、二十の特別区にする)

⑥大阪都(政令指定都市二市を分割して、都区にする)

なぜ、このように、提案内容がコロコロと変わるのでしょうか。その理由を推測するために、まず、それぞれの制度の主要なポイントを考察してみましょう。

  • ①関西州は、道州制であり、都道府県を廃止して、全国を十程度の道州に組み替えるという、全く新しい地方制度であり、国から地方への権限移譲、都道府県から市町村への権限移譲が、検討の決め手になります。
  • ②府市再編は、大阪府と大阪市の間に限って、自治体としてのあり方を問題として検討する提案です。
  • ③グレーター大阪は、イギリスのグレーターロンドン庁(GLA)を参考とするものです。GLAは、シティ・オブ・ロンドンとシティ・オブ・ウエストミンスターに三十一のロンドン特別区を加えた大都市制度であると言えます。
  • ④普通市分割は、政令指定都市である大阪市・堺市を分割して、いくつかの普通市を誕生させるもので、奈良県に見られるような、普通市ばかりの府県にするものです。
  • ⑤大阪都は、大阪府域を東京都と同様の制度にするものです。これを大阪府域に通用する場合は、地方自治法の改正が必要です。府内の中心地域である大阪市や堺市を分割し、特別区に変更する場合も同様です。

このように、それぞれの案は、地方制度としての課題と内容を、全く異にするものであり、提案内容になんら脈絡はありません。前述のように、提案が変化してきた合理的な理由を、どこにも見出すことはできないわけです。

さらには、論議をしようとする対象である「大阪都構想」においては、区割りや権限・財源のあり方など、具体的な都区の姿は、一切明らかになっていません。賛否を問いかけている「構想」の中身が、はっきりしない。その時々の政治状況、特に対象となる基礎自治体の首長の意向を感じて、摩擦の起きない、一般大衆受けのする「イメージ論」だけを展開しているに過ぎないのです。

こうした経過からすると、本気で地方制度改革の検討を行ったものとはとうてい考えられず、政治的な人気取りのパフォーマンスとして、行き当たりばったりの適当なテーマをぶち上げ、弄んでいると、断言するしかありません。まず、この点を、注意して、よく記憶に留めておいていただきたいと思います。

これを踏まえて、地方自治制度として見た時に、「大阪都構想」がいかに不適切で欺瞞に満ちたものであるかを、明らかにしていきたいと思います。

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「大阪都構想を批判する—『「仮面の騎士」橋下徹』(2)」への1件のフィードバック

  1. SCOOP TWEET JAPANESE   COPY RIGHT FREE

    ★大阪都構想 絶対にだめ 決定打 30秒!

    ★著作権一切なし  編集 加筆 コピー 国内外 あらゆるところに ばら撒きリング 超大歓迎♪

    ★政令指定都市 国に直接 物言える 東京の2番目の都市 大阪市 を性急に破壊して 失敗 間違い だったら 橋下 松井 維新の会  落選したら 政治家やめたから 後しらんになったら

    ★いったい 誰が 後責任取れるの? 失敗した時の 責任場所 明確にしないで 何十年と続いた 大阪市 解体?  大阪都構想 通ったら 道州制 日本全国やのに 他人事でないのに

    ★そんなに大切な事なら 5年 10年 20年 話し合ってからでも遅くないし 失敗したら 誰が どこが 元に戻してくれるの?  責任取れる団体 ないし 

    ★あのね郵便局の人と話してたんやけれど 大阪都構想  大阪市の解体と5つの区割りで膨大なコストと混乱が生じること発覚!

    ★5つの区割りで 郵便局 宅急便 佐川  車のカーナビが殆どアップデート出来ないから タクシー 貨物トラック 営業者 配送業者 乗用車 偉い迷惑ですわー

    ★会社の膨大な資料の住所 商品の住所 名詞 パンフレットの住所 だれがその経費払うの? 中小の会社 つぶれてまうで 健康保険所 パソコンの個人情報 電話帳 住民票 戸籍 区役所5つの建設  橋下と松井と維新の会と公明党が負担するんかいな? おこるで ほんま!

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大阪・堺から地方自治を考える会は、2012年 6 月23日に設立されました。堺の発展のために何をなすべきか、「 大阪都構想」について、「地方自治」の原点から考える、 堺市政の現状について分析と提言を行うことを目的に活動しています。