【報告】第7回研究会を開催しました(1月19日)

今回は、堺市の教育問題をテーマに報告を受け、議論を行いました。

報告に先立ち、事務局より以下の提案がありました。

役員人事として、新たに2名の方の顧問就任提案があり、了承されました。また、会長代行の三好様より、諸般の事情により会長代行を退きたい旨のお話があり、了承されました。なお、三好様には、引き続き顧問として活動いただけるとのこと。

また、考える会の「銀行口座」を開設したので、利用してほしい旨の報告がありました。

口座名 大阪堺から地方自治を考える会 紀陽銀行 堺支店 普通口座 723780

以下は、報告と議論の要旨です。(文責:事務局)

今、教育の根幹が揺らいでいる。

学力問題に端を発し、いじめや体罰など噴出する諸問題とともに、遂には教育委員会の存廃にまで議論は及んでいる。今日の社会が抱える様々なひずみや歪みが戦後教育の破綻、もしくは無残な結果の故だと言わんばかりの風潮が広がりつつある。

しかし教育に対する抜き難い不信を前提として語られる限り、「事実の検証」が疎かにされ冷静を欠いた「断定」や「断罪」が跋扈することを恐れる。さては教育と言う時、それは義務教育のことなのか、中等教育のことなのか、それとも高等教育のことなのかによって問題の立て方がそれぞれ異なるが、きちんとした議論のフイールドが設定されず、教育一般に還元されることがしばしばである。

ここでは義務教育とりわけ堺の公教育における課題整理と教育行政の幾つかについて検証することとしたい。

未来をつくる堺の教育行政

教育は、子どもの未来をつくる営みであるとともに、未来の社会の形成者を育てる仕事でもある。その意味から、地方自治における教育行政は、人をつくり、まちをつくる。

学校教育の充実と子育て支援施策の充実は、堺市への人口の誘導と定着を図り、少子化の進行を抑制する役割の一翼を担っている。

政令指定都市としての教育行政

政令指定都市への移行により、大阪府教育委員会によって行われていた教員の新規採用、校長等管理職の登用、教員の懲戒処分等、教員に関する人事権を堺市教育委員会が持つようになった。

教員人事を含め、「より現場に近いところで判断する」という観点から、「堺の子ども、学校、地域」を見据えた教育行政が期待される。

「堺市教育活性化プラン」の策定

平成 18 年4月の政令指定都市への移行を契機として、計画期間を平成 21 年度までとした「堺市教育活性化プラン」が策定された。

同プランは、「あらゆる場での心の教育」、「縦につながる教育」、「横にひろがる教育」を基本的視点とし、4年間には、「市立高等学校の発展的統合」、「特別支援学校の新設」、「認定こども園の設立」のほか教員の堺市単独採用、小中一賞した総合的な学力の育成、保護者や地域の支援と評価による学校改善、安全・安心な教育環境の整備、「あいさつ運動、朝の読書活動、茶の湯体験」等の取り組みがなされた。

「未来をつくる堺教育プラン」への発展

「堺市教育活性化プラン」を検証する中で、「子どもの自尊感情の低さ」という課題が浮かび上がり、「自分にはよいところがある」という自尊感情をはぐくむことを基軸に、「それぞれの世界へはばたく“堺っ子”」という子ども像を掲げ、平成 23 ~ 27 年を計画期間とした「未来をつくる堺教育プラン」が策定された。

計画期間の折り返し地点を迎え、市政全般の基本方針である「堺市マスタープラン」と連携しながら、確実な効果検証に基づく教育施策の充実が望まれる。

堺独自の教員の養成・採用・研修

堺市教育委員会では、教員の独自採用に先駆けて、平成 19 年に「堺・教師ゆめ塾」が開設された。堺が好きで、堺の教育を自分の一生の仕事にしたいという若い人を増やすための取り組みとして、効果検証を進めつつ、今後も力を注いでほしい。

教員採用選考においては、一次試験、二次試験の別なく、筆答試験から面接、実技の全過程の結果を総合して合否を判断する方式をとっている。「あなたの“ゆめ”と“よさ”をうけとめます」をコンセプトとしており、志願者の共感を得ているようだ。

教員の年齢構成が大きく変わる時期でもあり、将来の堺市の教育現場をけん引していくリーダーの育成が課題であろう。

秩序と活気のある学校づくり

「未来をつくる堺教育プラン」では「静謐な教育環境づくり…秩序と活気のある学校づくり」という方針を掲げている。生徒指導体制の確立をはじめ、教育相談、小中一貫教育、学力向上、部活動、保護者・地域・関係機関との連携など、さまざまな取り組みを総合的に推進し、期待と信頼に応える学校づくりに取り組んでいただきたい。

すべての地域で「小中一貫教育」

教育のあらゆる段階で、「自分にはよいところがある」という自尊感情を育てていくことを基軸にした小中一貫教育の取り組みが推進されている。現在、各中学校区に小中一貫教育推進リーダーが配置され、小中合同や小中連携での多様な取り組みが進められている。今後も、学習指導、生徒指導を総合的にとらえ、小中一貫教育の体制をさらに強化していくことが望まれる。

「総合的な学力」の育成

堺市においては、テストに表れる「教科学力」に限ることなく、それを支える意欲・関心などの「学びの基礎力」、学んだことを生かしていく「学びの実践力」を含んだ「総合的な学力」の育成をめざしている。

堺市では、「子どもが伸びる学びの診断」を、小学3年から中学3年までの6学年にわたって毎年実施し、「総合的な学力」という観点から子どもたちののびる姿を検証し、教育活動の充実・改善に生かしている。テスト結果については、保護者、地域住民との協働をめざす観点から、教育委員会においても各学校においても公表している。

教育委員会制度がめざしていること

今後、教育委員会制度についてさまざまに議論されることだろうが、教育行政の民主化、教育行政の地方分権、教育の自主性確保等の視点から生まれたものであるということを大切にしたい。

現在の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」では、市長が議会の同意を得て教育委員を任命することや教育に関しても予算編成権を有していることなど、教育委員会は、首長から独立した機関でありながら、市長と一定の関係が保たれており、その調和の上に機能している。

竹山市長のマニュフェスト項目における「無料の放課後学習」も、教育委員会として教育施策全体との整合性を検討したうえで「堺マイスタディ事業」として実施されているのであり、事業そのものの点検・評価によって発展・修正が図られることと考える。

市長部局との連携・協働

「社会総がかり」で子どもを育てるといわれる。子どもを取り巻くすべての環境が子どもの学びや育ちにかかわるという視点をもって、教育委員会と市長部局が連携を密にし、市全体としての「総合的な教育力」を発揮していただくことを切に願う。

(以上:報告要旨)

報告を受けて、参加者からは、堺市立高校の廃止・統合問題、政令都市と大学誘致、体罰をめぐる問題、小中一貫教育への取組み、教師ゆめ塾の取組みなどについて、質疑がありました。

次回は、堺市の文化政策について、報告と討議を行う予定です。(以上:文責事務局)

「【報告】第7回研究会を開催しました(1月19日)」への2件のフィードバック

  1. 本日保育実施変更通知書が届きました。
    保育料が5万6千円だったのが新しい階級がつくられ、6万7千円にこの4月からなるという通知でした。
    私たちは共稼ぎの為、2人の収入を合わせると上記の金額になってしまいます。
    嫁も仕事をやめて、専業主婦になりたいといっておりますが、一度仕事をやめるとなかなか就職先が見つかり事実があり、先行き不透明な昨今共稼ぎでがんばっております。
    子どもたちには、寂しい思いをさせておりますが、それも今の経済状況を考えると踏ん張りどころと思っております。
    以前は、私立の保育園に通わせておりました。公的な保育園のほうが良いと思い、2歳になる年に公立の保育園に入れました。
    私立の保育園は一律4万5千円+8千円(給食費)かかります。
    1万4千円の差がココで出てきております。
    このことを考えると私立の保育園に入れたほうが良いのではと考えております。
    このような民間と公共との差が出てくると、私のような方々は、保育園に於いても私立の保育園に通わせるようにするのではないでしょうか?
    この点をしっかりと考えていただきたいと思います。

  2.  大阪府、大阪市と大阪商工会議所など関西経済3団体は18日、大阪への外国人観光客呼び込みのため、官民協力して大阪観光局を発足させることで合意した。事業費7億5千万円のうち、府、市、民間が3分の1ずつ負担する。2011年に158万人だった外国人観光客を「20年に650万人」と約4倍に増やす目標という。
     堺市はこの事業には参加しないのであろうか。関空からのインバウンドをみすみす大阪市内に流すのか。まして、堺市は百舌鳥古市古墳群の世界遺産認証を受ける準備を進めている。私は大阪都構想には賛同しないが、堺市が独自の戦略を構築したうえで、大阪府、大阪市、経済団体と連携しながら観光戦略をどう構築していくかが課題であると考える。堺商工会議所や堺コンベンション協会との連携戦略も見えない。堺市が大阪コンベンション協会から副市長を迎えているだけに、この間の経緯を示して欲しい。

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