政治活動と選挙運動の区別について

政治活動と選挙運動は、明確に区別されるべきである。

政治活動は、政治家が日頃から自らの政策や主張を公表したり、市民に訴えたりすることであり、いつでも可能と考えられている。

一方、選挙運動とは、選挙が告示され立候補した者が、自らへの投票を有権者にお願いする活動であり立候補届が受理されて以降、投票日前日まで行うことができるとされている。

選挙期間以前に、投票依頼を行うことも含めて、特定の選挙日程をめざして行われる「政治活動」が、投票依頼を目的とする「選挙運動」と見なされる場合、事前運動として、問題になる。

堺市の場合、今年 10 月 7 日に市長の任期が終わる。その前に市長選挙が行われる。
堺市の将来を決める重要な選挙であり、市民の関心も徐々に高まっている。

現職の市長は、早々と4月から、早朝の駅頭宣伝を始めている。「〇〇です。おはようございます。」と、朝のご挨拶をされているようだが、これは「事前運動」にあたらないのだろうか。直接の投票依頼は、間違っても言葉にされていないだろうが、午前7時からと公務の時間帯ではないのだが、特定の駅の通行人に対して、朝の挨拶とは、現職市長の行為として、いかがなものか。(「市長 竹山おさみ」の幟は出しておられる。政治家竹山ではなく、「市長」として挨拶されているようだが。)

また、地域集会と称して、「個人演説会」のような活動もすでに始められていると言う。これも土日や夜の「公務外」の時間帯であるが、「特別職の公務員」である現職市長として、本来の職務をないがしろにしていないか、との批判もある。

さらに、選挙の争点になるテーマについて、「市の広報」に自らの主張を紙面を割いて掲載することは、果たして妥当なことなのだろうか。

政治家として、一個人として、政策や主張を発信することは、大いに結構なことだが、それを「市の広報」で行うことは、明らかに広報を政治的に利用していると言われてもしかたがない。

4月 27 日の読売新聞夕刊では、こうした市長の手法について、批判が出ていると報じている。「選挙運動」・「事前運動」であるか、どうかは、司直の判断するところであるとしても、何とも、話題の多い市長さんであることは、果たして誇れることなのかどうか。 いずれ、堺市民が判断を下すことになるだろうが・・・。(島 和英)

【堺市が反・都構想? 維新は「市長選にらみ中傷」】

読売新聞 4 月 27 日夕刊より(文章は、HPより転載)

<都構想の連載が始まった広報さかい>

大阪府と大阪市を再編する大阪都構想への不参加を表明している堺市が、全世帯に配布する市の広報誌とホームページ(HP)で、都構想と堺市をテーマにした連載を始めた。

初回は「堺市が廃止、分割される」「市の権限が府に移管される」と訴えたほか、29 日発行の5月号では、「市の税収の約3分の1が府の財源になる」と主張。都構想を推進する地域政党・大阪維新の会堺市議団は「今秋の市長選をにらんだ、都構想へのネガティブキャンペーンだ」と反発している。

10 月 7 日に任期満了を迎える竹山修身市長は「政令市に昇格したばかりの堺市が分割され、財源や権限が奪われるのは、住民のメリットにならない」として、都への参加拒否を掲げて立候補を表明。一方、維新の会は都構想を推進する候補者を擁立する方針だ。

広報さかい4月号(約 40 万部発行)の連載記事は、「もしも、大阪都構想に加わったら、堺市はなくなるの?」との見出しを掲げ、「堺市は廃止され、複数(2〜3)の特別区に分割されます」「政令指定都市特有の権限や財源が、(都構想で誕生する)大阪府に移管されます」と、図解付きで掲載した。

5月号では、東京都の制度を参考に、2011 年度決算で 1326 億円の市税収入のうち、463 億円が府に移ると紹介している。

連載はHPでも掲載され、今後、数回続くという。

連載に対し、維新の会堺市議団は▽市民の不安をあおっている▽住民サービスが低下するような誤ったイメージを与えると指摘。「都構想参加に反対する政治的なメッセージが感じられ、不適切だ」と抗議した。

西林克敏幹事長は「都構想は市長選の争点だ。連載は都構想のメリットが一切触れられておらず、政治的中立性に欠ける」と話す。

(2013年4月27日 読売新聞)

堺市の現状を検証する 

堺市の現状を検証する
―――人口、少子化、地価、交流人口、企業誘致-―――

竹山おさみ市政報告(2013,1,29第11号)は、「これから堺をどんな都市にしていくのか」の中で、「堺・3つの挑戦」として、市民とともに重点的に取り組む3つのプロジェクトの目標を掲載しています。

1、「子育てのまち堺」のところでは、「定住人口の増加」
2、歴史・文化のまち堺では、「交流人口増加」
3、匠の技が生きるまち堺では、「企業の誘致」です。

ここでは、3つ挑戦により、現況がどうなっているかについて、「人口」、「年齢別人口と少子化」、「交流人口」、「地価」、「企業誘致」等の指標で、問題点を明らかにしたい。

<人口について>
2013(平成25)年4月1日現在の堺市人口(推計人口)は、841.253人。ピーク時の842.988人(2012年6月)から、1.735人減少しています。堺区、南区、東区、美原区と共に、人口増が続いた北区も減少傾向にあります。日本は、人口減少期にありますが、大都市たる堺の状況は、少し異常では、と思われます。

堺市(美原町との合併以前)の人口は、1985(昭和60)年の818,271人をピークに減少し始め、2000(平成12)年には、792、018人となって80万人を切り、さらに減少傾向は続きました。2005(平成17)年2月、美原町との合併により、堺市人口は、833.886人にとなり、2006(平成18)年4月の堺市政令移行を経て、2008(平成20)年に、ようやく、835.333人(全国14番目)と増加に転じました。以降人口増加は続くのですが、2012(平成24)年6月842,988人をピークに、減少し続けています。
ちなみに、現在の人口は、竹山市長就任直後の、2010(平成22)年1月の841、966人を下回っているという状況です。

注、推計人口‥直近の国勢調査の結果を基本に、住民基本台帳人口(外国人住民を含む)に基づき、毎年各月1日に、推計人口が発表されている。

<少子化の傾向について>  —年齢別人口に見てみると—–
平成25(2013)年2月末現在の年齢別人口の統計表を見れば、少子化の進行は、歴然としています。

0才~4才   37,793人
5才~9才   39,635人
10才~14才  39,970人

0才児は、7.028人で、戦後最低を記録しています。67才の人口は、9,026人ですから、0才児の方が、1,998人少なくなっています。
因みに、竹山市政の重点「3」プロジェクトのうち、「1」つは、「子育てのまち堺、命のつながりへの挑戦」です。
保育所申し込み数、特捜児童数ともに、平成22(2010)年から、平成24(2012)年までの3年間を見ても、
申し込み数    待機児童数
H22  14,046人     290人
H23  14,733人     431人
H24  15,264人      457人

「待機児童ゼロ」も、竹山市政の最重点施策です。数字は、真実を語るものです。

<地価>
地価については、先の事務局報告で、堺東地区が、引き続き下落傾向にあることが示されました(国土交通省 主要都市の高度利用地区地価動向報告 平成25年1月調査)。堺市全体でみると、特に、商業地の下落率が大きい。堺市の、平成25年1月、商業地の下落率は、全体で、マイナス1.6%で、府下平均マイナス0.6%を大きく上回っています。府下の商業地では、守口、門真、四条畷、松原と並んで下落率は、最大になっています。下落率の大きい順位で、府下10地区に、堺の3地区が入っているのです。堺東の表玄関の、堺区北瓦町2丁「地区」が、マイナス3%で、下落率の高いほうから6番目です。「商業地」は、全般的に、下落傾向にあり、堺区(マイナス2.1%)中区(マイナス1、3%)、東区(マイナス1.0%)、西区(マイナス1.4%)で、北区のみ下落率0,0%と言う状況です。

竹山市長は、あるローカル紙に、このたびの再出馬の理由として、「今まで取り組んできたいろいろな事業にようやく芽が出てきた。是非花を咲かせたい」と述べていますが、竹山市政4年間の成果が、このようにハッキリと数字に出ています。中世に、対明、南蛮貿易で栄えた「商都」堺は、如何なって行くのでしょうか。残念ですが、危機感がないという事につきます。

<交流人口>
交流人口と言えば、観光客数、通行量、主要駅旅客数、企業誘致数等で分かります。観光客数は、現在も上昇が続いており、安堵しています。確か、平成17年4月、堺市に、「観光部」が設置され、国土交通省から人材派遣を求め、同18年4月「堺市文化観光再生戦略プラン」が策定され、爾来観光客数は、大きく増加してきたようです。

堺東駅前の堺銀座商店街東入口の通行量は、10年~20年にわたり減少を続けています。特に、休日の通行客が、平日を下回るという事態です。鳳商店街中央、栄通商店会南側,泉ケ丘駅東側等の通行量も減少してきました。その後まちの再開発整備が進んだところでは、通行量も回復してきているのではないでしょうか。平成22年以降は、数字がありません。せめて、実態調査は、実施して下さい。政令市なのですから。
主要駅1日平均旅客数も、平成20年の政令市移行時以降には、少なからず、伸びを示しています。再開発が進んだり、臨海部のように企業誘致が進んだところ、、例えば、北花田、北野田駅、堺駅、鳳駅です。遡れば、堺市駅も、旅客数は、増加しています。しかし、堺東や泉ケ丘各駅の衰退ぶりは、過去を知る者には、特に酷いです。

<企業誘致数>
次に、企業誘致です。毎年4月の最初の記者会見で、竹山市長は、平成17年4月に制定した「堺市企業立地促進条例」(5年の時限条例を平成22年4月に、3年の延長等見直し)に基づく新規認定企業を公表しています。
平成25年4月の記者会見では、平成24年認定分7社とし、平成17年から24年までの認定企業は、71社 投資総額9.300億円、雇用5.000人と述べています。
71件の内訳は、平成24年「7件」、平成23年「3件」,平成22年「3件」と発表しているので、71件の内、竹山市長時代の認定件数は、13件にすぎません。
地盤沈下の激しい府下の他都市との比較では,良好という事でしょうが、新市長が、企業誘致の実績として誇るには、また、堺の将来の都市基盤づくりとしても、寂しい限りではないでしょうか。(鈴木 啓一)

【報告】第9回研究会を開催しました。(3月23日)

今回は、百舌鳥・古市古墳の世界遺産登録問題をテーマに研究会を開催しました。

専門家の方のレポートをもとに議論しました。

世界遺産登録活動の現状について

すでに「百舌鳥・古市古墳群」は、政府の世界遺産登録への暫定リストに記載されており(平成20年 9月政府の世界遺産特別委員会で了承、平成22年 6月正式登載)、暫定リスト登載は、国内14件となった。

富士山(山梨県、静岡県)と武家の古都鎌倉(神奈川県)については、2013年に開催される世界遺産委員会で登録の可否が審査される予定となっている。

さらに、政府は2013年 1月、富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県)の世界文化遺産への登録に向けて、ユネスコに推薦書を提出することを決定し、2014年に開催されるユネスコ世界遺産委員会で登録の可否が審査されることとなった。

世界遺産登録のシステムは、①世界遺産暫定リストへの登載、②国からユネスコに推薦書を提出、③国際的な専門機関による現地調査、④ユネスコ世界遺産委員会での審議、そして、⑤世界遺産登録決定に至るのである。

世界遺産登録により、堺市は更に飛躍できる

前市長の奮闘により、世界遺産登録運動が開始され、暫定リスト登載まで進んだが、その後の動きはどうだろうか。藤井寺市など府内南河内の自治体も加えて、大阪府の重要課題であるのだが、大阪府をはじめ、関係者の動きは、余りに鈍いという印象である。

富士山の場合、静岡県・山梨県両県で、世界遺産登録に向けた独自のホームページを立ち上げている。大阪府も平成24年度事業計画にホームページの政策を掲げているが、未だに公開されていない。

フランス人は、観光地を選ぶ場合、世界遺産観光を優先すると言われ、百舌鳥・古市古墳群が世界遺産登録されれば、大阪・堺を訪れる外国人観光客は数倍に増加するとも言われている。世界遺産登録は、堺市にとっても戦略的課題でもあり、今後の取組みに注目していきたい。

登録への課題

エジプトのピラミッド、中国の秦の始皇帝陵と並び、世界の三大墳墓とされる仁徳陵だが、世界遺産登録に向けては、数々の課題がある。

推薦書の中でも重要な位置づけは、緩衝地帯(バッファゾーン)の設定、そして保存計画であろう。

百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録に向けては、大阪府・堺市他の自治体や関係者が一丸となって、政府に対する働きかけを強める必要がある。

以上のレポート報告の後、質疑を行ました。(文責:事務局)

<参考:堺市ホームページより>

暫定リスト記載決定の際の、世界文化遺産特別委員会の評価

  1. 平面積で世界最大と言われる仁徳天皇陵古墳をはじめ最大級の古墳の多くが含まれるなど、日本を代表する古墳群である。
  2. 世界の古代国家形成期に築造された他の巨大記念工作物にも並ぶものである。
  3. 日本の国家形成の過程を示すだけでなく、独特の形態を持つ古墳を築造するために集中的に膨大な労力が投入されたことを示す極めて重要な資産である。
  4. 日本を代表する古墳群として、顕著な普遍的価値を持つ可能性が高い。

整理すべき課題

  1. 陵墓についての適切な保存管理をどのような形で担保するのかについての考え方の整理。
  2. 世界遺産の審査などが陵墓の特性を十分尊重して行われること。
  3. 資産の保存管理状況に係る定期報告など、世界遺産条約の履行義務に対応可能な体制の整備。
  4. 都市化が進んでいることから、緩衝地帯の範囲と規制内容について、明確な方向性を示すこと。

市長選挙、突入も結構ですが・・・

 2月議会で出馬表明した竹山市長。彼のブログを読むと、すでに市長選挙に突入、という雰囲気です。

 3月から北区を中心に、「おでかけミーティング」という地域集会を週に2回開催。さらに4月2日堺東駅で「おはよう朝立ち」をスタートさせ、4日中百舌鳥駅、9日泉ヶ丘駅、16日三国ヶ丘駅、23日堺市駅と予定を書き込んでおられます。
 まるで投票日1ヶ月前という行動配置です。 

 さらに、4月広報には、2面に『「政令指定都市・堺」の行政サービス①」として、政令都市のメリットを強調した記事が掲載されています。3面では、ほぼ半頁を使って「大阪都構想」のQ&A記事が掲載されています。それもカラー刷りです。
 「堺市を分割する大阪都構想に反対」が、竹山市長の主張ですが、これではまるで、市広報なのか、選挙ビラなのか、区別もつきません。

 政令指定都市の首長として、やるべき事は他にないのでしょうか。
 堺浜は、商業施設も撤退し倉庫群になっています。堺東周辺は、商業施設に賑わいがなくなり、地価は下がり続けています。阪堺線も、阿倍野再開発への流出経路になっていますが、堺への流入経路にはなっていません。
 
 政令指定都市の市長に、今求められているのは、低下しつつある堺の現状打開のためのリーダーシップなのではないですか。「政令指定都市のメリット」は、それを最大に活用する事が求められています。大阪都構想への最大の批判は、実績としての堺市の発展であり、そのためにこそ、リーダーシップが求められていると思います。

 選挙の半年前から、現職の政令都市の市長が、どぶ板選挙。
 市民の皆さんがそれを望んでいるとは、とても思えません。(島 和英)